「MEDTEC Japan2011」の国際会議で「医療機器の臨床研究と治験」6月29日、水曜、午前11時45分〜午後12時25分)について講義をされるテルモ株式会社研究開発本部 開発戦略部 主席研究員 三澤 裕氏に、会議を直前に控え、色々とご意見を伺った。
「医療機器の臨床研究と治験」講演での一番のポイントは何でしょう?
医療機器分野に参入される異分野の方々に、治験と臨床研究について分かりやすくお伝えしたいと思います。
また、特に気をつけなければいけない、未承認医療機器の臨床研究への提供に関して、厚生労働省通知に基づいて説明を行います。
東日本大震災以降の日本の医療機器業界はどうなっていくでしょうか?
今回の震災では、医療機器業界のサプライチェーンの細さが浮き彫りになったと思っています。今後、リスク管理の意味から製造場所や部材購入先の分散・多重化が国内外で進むと考えます。
政府の成長戦略の要として革新的医療機器への開発推進は進んでいくでしょうか?
世界的に高齢化が進む中、医療ニーズは今後も多様化していくと考えます。これらニーズを充足する革新的医療機器の開発は、今後も進めていかねばなりません。今は、震災復興に注力すべき時ですが、世界では新たな医療機器開発が進められています。成長する世界市場での、わが国のプレゼンスを保つためにも、革新的医療機器開発は推進すべきです。医療イノベーション推進室を軸とした開発推進にも期待します。
現在、医療機器業界が抱える一番の課題は何だとお考えですか?
グローバル化の遅れ、国際競争力の低下と考えます。
今後、医療機器業界はどのように変化していくでしょうか?
高齢者医療のニーズに対応した医療機器や医療周辺のサービスが発展していくと考えます。
ITを利用したユビキタス医療機器やサービスがその中心になってくると思いますが、普及にはビジネス軸でしっかりとしたシナリオ作りが必要だと考えています。
今まで開発された医療機器の中で、一番画期的なデバイスは何だと思われますか?
PTCAバルーンカテーテルやステントです。
三澤氏は、会議初日(6月29日水曜日)の午前11時45分〜午後12時25分に、「医療機器の臨床研究と治験」について講演をされます。
三澤 裕氏
テルモ株式会社 研究開発本部 開発戦略部
主席研究員
1982年日本光電工業株式会社入社、1992年テルモ株式会社入社。現在、研究開発本部開発戦略部主席研究員 工学修士。